ネテモサメテモ

強がったポーズの女の子

映画「ショコラ」が異常によかった

いい映画を観た

わたしは結構映画を観に行く方で
社会人になってからは、
月2、3本くらいのペースで映画館にいく

DVDでは得られない
映画館ならではの非日常感を求めて
自分が自分でなくなるようなあの感覚を味わうべく
しばしば足を運んでいる

1月、仕事中に調べものをしていて、
たまたま、19世紀終わり頃のフランスに、
黒人の芸人がいた、って記事を読んだ

(確か2015年、フランスで「Chocolat」が
上映開始したタイミングの記事で、
当時のショコラ本人の写真が載ってたんだけど
検索かけても再現できなかった…残念)

たぶんこの表紙の写真
f:id:bo-ya119:20170215223544j:plain

興味をもって引き続き調べてみると、
彼をモデルにした映画「ショコラ」を
銀座のミニシネマ、シネスイッチで上映するらしい

ショコラ役は
最強のふたり」のオマール・シーがやるとのこと

うちの夫はチャップリン狂いなのですが、
ショコラの相方の白人フティット役が
チャップリンの孫、ティエレだということもあり
強引に誘い込んで、

2月3日節分の日に一緒に観に行きました

観る前に
数少ないレビューを読んでみてたんだけど、
あまり評価がよくなくて、
わたしの期待ほどは面白くないのかな、と
期待値は下げ気味で

そしたらもう
期待値下げる必要は微塵もない、
素晴らしい映画でした

素晴らしい、と言うのは簡単なのだけど、
それ以上の言葉が出てこない

楽しい映画、ハッピーな映画ではありません
主人公の二人は芸人だけれど、
その内容も決して面白くはない
(19世紀のフランス人の感覚なんだから当たり前)

どちらかというと、内容は重いし暗い
根底に黒人差別という、
ショコラにとって避けられないテーマがあるし

だけど、だからと言って、
こちらを辛くさせない雰囲気があったんです

登場人物たちの生きざまに?職業に?
映画の演出に?それはわからないけど

彼らが道化師だからだろうか
泣き笑いの人生、
むしろ滑稽だと笑われたもの勝ち、みたいな
そういう雰囲気だったからかなぁ

わたしはむしろ、映画を観終わったとき、
すごいものを観たという興奮とともに、
妙な清々しさすらあって、驚きました

原作読んでないから何とも言えないけど
脚本は主人公たちに肩入れすることなく、
たんたんとストーリーを刻んでいて、
すんなりスマートに入ってきた印象

キャストはほんとに文句なし
主人公の二人はもちろんだけど、
他の役者さんたちも、世界が作り込まれていて、
あの時代のフランスに引き込まれたかのようでした

ラストに向かうにつれ、
ショコラとの生き方がつらく感じられて、
フティットの翳りが切なくて、
二人のことを思って涙が止まりませんでした

夫はティエレに晩年のチャップリンを重ねて
ずっと泣いていたとのこと

うーん
映画の感想って難しい

とにかく、すごい名画で、
今全国のシアターでやってるみたいなので、
ぜひ観てほしいってことです
ちゃんちゃん
f:id:bo-ya119:20170215224629j:plain