母乳育児の苦しみ
さてさて、ムスコも3か月を迎えました!ここまできた!すごい!えらいわたし!
産後はやはり怒涛の日々です。わたしの場合、産後1か月半は実家に夫と身を寄せてたので、家事は母にほぼ丸投げして育児に専念できたし、夫はわたしより器用に何でもこなすタイプの男なので、育児も任せられる部分はお願いしてたけど、それでも…!
何がそんなに大変なのかっていうと、授乳、授乳ですよ!これに尽きる。誰にも代わってもらえないんだもん。四六時中、朝から晩まで、2時間おきとかであげ続けなきゃいけないんだもん。産前からある程度の苦しみは覚悟して、本とか読んで予習してて、だからこそ母乳にこだわりすぎず混合でいこうと考えてて、かつ乳腺炎とかの本格的なおっぱいトラブルがなかった(今のところ、ない)わたしでさえこんなに苦しんだんだから、何も知らずに母乳始めちゃった人とか、こだわり強い人とか、母乳トラブル多い人とかはもう地獄だと思う…母乳地獄…わたしの場合、産中、産後の苦しみの1位、2位が悪阻と母乳育児でした。です。
ここにわたしの母乳育児の記録を残しておきます。意外にも、母乳育児の苦しみについて詳細に取り上げたブログってあまりなさそうなので、誰かの参考になれば嬉しいです。授乳関連のお役立ちグッズも紹介します。
まず、前提として覚悟しておかなければならないのは、現代日本は完全に母乳信仰社会だってこと。大げさに言うと、「母乳=善・ミルク=悪」くらいな構図があります。産後、男女問わずいろんな人に聞かれます。「母乳で育ててるの?」「おっぱいは出てるの?」と。恐ろしいことにこれ、聞いてる本人は100%(たぶん)善意で聞いてます。すごいよね。相手が事情あってミルクだったり、母乳少なくて混合だったりして悩んでるかも、とかって一切考えないんだろうか。身内ならともかく、赤ちゃん連れてたら他人にまで聞かれますからね、これ。でも文句を言っても仕方ないんです。だってこれが現代日本社会の現状だから。こういう文化なんです。
しかし!この現状に苦しむのは母親たち。子供を産んで初めて「母乳=善・ミルク=悪」なんだ!ということを知り、母乳育児を満足にできない自分を責めます。責めまくります。ただでさえ、産後のメンタルは不安定なのに、ここにこの母乳問題が加わり、拍車をかけます。予習済みで、社会の風潮も知ってて、対策も練っていたわたしですら、それはもうつらかったです。実母がわたしを完母で育てた話を聞いたり、夫がミルクを足し渋るのを見たりする度、「みんなわたしが完母育児することを望んでいる…」「母乳が満足に出ないわたしを責めている…」「母親失格だ」と自分を責めまくり、欝々として、新生児期は特にムスコ自身のことを見てやることができず、余裕のなさゆえにかわいいともあまり感じられませんでした。あんなに望んで授かったわが子なのに。
ミルク育児は悪じゃない!確かに母乳にはメリットがいろいろありますが、だからといってそこに囚われてしまうと、お母さんの精神がどうにかなってしまいます。母乳育児がしたいという気持ちを否定する必要はありませんが、ミルクやそのほか母乳グッズもうまく取り入れて育児ができると、かなり楽になると思います。誰もがすんなり母乳育児できるわけではないので。むしろすんなりいかない人の方が多いんじゃないかな。ミルクで育てたって愛情がないわけじゃなし、先進国ではミルク育児の方がポピュラーらしいし、気に病む必要はありません。
わたしが妊娠中に読んだ本はこれ。母乳とミルク、若干母乳寄りではあるものの、なるべく中立的立場を意識して書かれた本です。入門編として産前に読んでおくことをおすすめします。
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さて、ここからがわたしの体験談。
わたしの乳のスペックとしては、産前、乳頭マッサージはほとんどしておらず、予定日の前々月くらいから左胸の底筋?がズキズキする症状が見られ、乳頭を揉むと両方の胸から母乳がにじむような感じでした。
まず、わたしが「母乳つらい」となった背景に、産院がかなりの母乳推進派の病院で、わたしがそのことを深く考えていなかったということがあります。ちなみにその産院は、なるべく母乳、くらいな感じではなく、絶対母乳!母乳万歳!赤子の限界まで糖水、ミルク足さない!ゴムやシリコンの乳首も使わない! っていうガチな方針でした。実際問題、現場の助産師さんたちはそこまでシビアにはやってなかったけど。
わたしの母乳との戦いは、カンガルーケアから始まりました。分娩室で、産まれて数十分後のできごと。ムスコは食欲旺盛で、わたしの胸の上で乳を探し当て、吸い付きました。同日からもちろん母子同室、3時間ごとの授乳教育(スパルタ)が始まりました。
この教育がどんなものかというと、助産師さんの乳頭マッサージと、ムスコに乳を咥えさせ(吸わせ)る授乳練習がセットになったもの。マッサージはもうそりゃめちゃめちゃ痛いです。痛いの痛くないのって。しかも、手練れの助産師さんが3時間おきにマッサージしたところで、乳はそう簡単に出るようにはならないのです。わたしは産後2日で精神的にかなり参って、助産師さんにそう伝え、そこで手マッサージの代わりに導入されたのが、メデラの自動搾乳機、シンフォニーでした。
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これでかなり楽になった!直接手でしごかれるより、機械に圧をかけられる方がわたしはよっぽど楽でした。このシンフォニーは、搾乳機ではかなり優秀なやつで、赤ちゃんの吸啜に似た動きをすることで、母乳の分泌を促す仕組み。乳頭を授乳向けに開発(柔らかく、伸びるようにする)してくれます。病院向けにしか販売されておらず、一般にはレンタルがあるそうです。
わたしはムスコとの直母の相性が良くなく、入院中はこれを、退院してからしばらくは同じメデラというメーカーの手動搾乳器、ハーモニーを使ってました。 購入予定でしたが、数年前に出産した叔母が新品同様のものを持っていたので譲り受けました。これは5,000円くらいで買えます。直母に悩む方にはぜひ試してほしい!わたしはこれで直母できるようになったし、今は乳腺炎になりそうなときとか、外出時搾乳するときとかに使ってます。
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さて、うまく直母の授乳ができないままにスパルタ産院を退院後、始まったのは、授乳レッスンと搾乳、ミルク足しの生活…わたしの場合、搾乳生活を1週間続けたのですが、これは結構ハードだった…3時間おきの「直母授乳→搾乳→哺乳(私の搾乳中、夫に前回搾乳分の湯煎した母乳を飲ませてもらう)+時々ミルク追加」が昼夜続くわけで、1人じゃとても無理だったと思います。搾乳には、前出のメデラのハーモニーを使って、直母には、入院中にポチったメデラのニップルシールド ソフトを使っていました。
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これはわたしの救世主でした。妊娠中に買っておけばよかった。わたしとムスコの場合、直母がうまくいかなかったのには、いくつかの原因があったのですが、中でもわたしの乳頭がまだ直母できるほど柔らかくなっていなかったことと、ムスコの鼻が小さめだったため、吸啜と息継ぎがうまくできなかったことが主な要因だったみたいです。直母をするとギャンギャン泣かれて、かなりつらかった。
それがこのニップルシールドを使うと、うまく直母することができるようになりました。本来の用途としては、傷ついた乳頭を保護するためのものなのですが、これを使い続けることで、乳頭が柔らかく伸びるようになり、使っている間にムスコの鼻も成長、吸啜も上手になって、3か月でようやく、保護器なしで直母できるようになりました。
母乳育児が軌道に乗るのには100日見たほうがいいとよく言いますが、本当です。あまり神経質にならず、ゆったり構えて大丈夫です。ゆったりと言いつつ、産後、授乳で悩みまくったため、この本も参考にしました。ブログが元になっているため、記事はネットでも見られるのですが、やっぱり本としてまとまっていると見やすいです。
これはWHOの母乳育児のガイドラインを元にしているため、かなりスパルタ寄りの完母を目指すための本なのですが、理系という側面から、根拠を持った解説がしてあり、とても参考になります。でもあまり追い詰められないように、くれぐれも注意してください。
母乳量も問題なく、ほぼ完母になったわたしたち親子ですが、それでもわたしがしんどいときや、母乳が不足していそうなとき、誰かにムスコを預けるときなど、1週間に数回はミルクを与えていて、あえての「混合育児」を選択しました。
なぜなら、完全母乳には母乳以外の選択肢がないからです。全責任が母にかかってくる。このプレッシャーは相当なものですし、完母にすると少なくとも半年近く、母子はべったり離れられない生活を余儀なくされます。わたしはムスコがいても、夫のように一人で外出したいし、母乳に振り回されずに仕事にも復帰したい。何より、「わたしは完母で息子を育てている」という重圧が精神的にとても苦しかったので、逃げ道としてミルクも残しておきました。もしわたしに何かあったとしても、誰かがムスコにミルクを与えて育ててくれる。そんな安心感もあります。
ちなみにミルクはらくらくキューブを使っています。
単価はほかの缶入りミルクより高いですが、1つのキューブで40mlのミルクが作れるお手軽さ、個包装なので清潔、かつ外出にも便利なので。あと、粉と遜色ない溶けやすさです。完母寄りの混合だと、そこまでたくさんミルクが必要というわけでもないので、とてもおすすめです。
哺乳瓶は、メインで母乳実感に母乳相談室の乳首を付け替えたものを使っています。
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新生児期は、搾乳やミルクの量も少ないので、母乳実感100mlのセットも役立ちました。今もちょい足しの時などに便利です。
長くなったので、今回はここまで。また書きます。