ネテモサメテモ

強がったポーズの女の子

新生児を迎える【無痛分娩レポその3・出産編】

これまで、計画無痛分娩を選択するまでの葛藤と流れについて、記事を書いてきましたが、やっと分娩当日の分娩そのものについてのレポートを書くに至りました。なかなか気分が乗らなくて、ここまで引っ張ってきてしまった。決してムスコの育児のせいではありません…

結果から書くと、わたしは計画分娩は大成功、無痛もまあまあうまくいって、超スムーズなスピード安産ができました。以下に時系列でレポートをまとめます。
 
当日、分娩への緊張や不安は特に感じないまま、ぐっすり寝て朝を迎える。多分分娩が決まってから1週間の猶予があって、ゆっくり心の準備ができたことと、死産の経験から、初めてのことではないし、死産より良いお産ができる(おそらく生きた子が産める)とわかっていたため、とても落ち着いていました。

それよりも、この前々日から持病のアレルギー性鼻炎らしき症状が結構酷めに出ていて、鼻で息ができないほどじゃんじゃん鼻水が出て、咳も止まらず、この状況で出産に挑めるのか?という不安の方が強かったです。結果、大丈夫でしたが…
余談ですが、分娩室アレルギー性鼻炎点鼻薬を持ち込みました。入院中、この点鼻薬と鼻うがいを併用しているうちに、退院前には症状は落ち着きました。
8:30  予定通りの時間に病院に着き、即主治医による内診を受ける。子宮口の開きは1㎝ほどで、まだまだだったので、バルーンを入れる。わたしはラミナリアを入れたことがあるから、リラックスできたのかもしれないけど、全く痛みを感じませんでした。ラミナリアは痛かったなぁ。あの時はばりばりに緊張していたし。その後、予約していた個室に移り、ベッドに横になってNSTをつける。

9:15  全部で3錠飲む予定の錠剤の促進剤の1錠めを飲むと、生理痛のような微痛がくるが、全然我慢できるレベル。夫と談笑しながら、こんなに時間があるのなら、読みかけの本(松田道雄『育児の百科』)を持ってくればよかったと悔やむ。
定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕

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10:00  錠剤2つめを飲む。
11:00  子宮口のチェック。4㎝大。想定外に早く子宮口が開いたため、錠剤は2錠で切り上げて、分娩室に移って続きの促進剤は点滴で入れることに。この時点で痛みはまだほぼなかったので、え、陣痛きてないけど、え、もう!?という感じ。

11:30 分娩室で、硬膜外麻酔の管を入れる。事前に調べていた情報によると、この管を入れるのが痛いとか、入れる時の姿勢がつらいとか。でもわたしは点滴入れ慣れてるためか、管入れる前の麻酔注射のおかげか、管を入れる痛みはそこまで痛く感じなかったし、丸まる姿勢も、そこまで無理な姿勢を要求されず(「海老みたいに丸まってー」という指示だった…)、さほど苦しくもつらくもありませんでした。

むしろ、この時にはもう3分間隔の陣痛がついていて、悶え苦しみながら、夫の手に爪を立てていたくらいで、そっちに必死でした。だからわからなかったのかも…
この時、管を入れた時点で、麻酔も入れ始めてたらしいのですが、陣痛の痛さ、波は全く緩和されなかったので、わたしはもう少し子宮口が開かないと、麻酔は入れてもらえないんだと思い込んで、先生にも聞かず、陣痛に耐えていました。
そんな中、先生に指で破水させられたり、昼食が分娩台に運ばれて吐きそうになったり(立ち合い中の夫が廊下で5分で完食)、実際に吐いて、プリンペランを点滴に追加されたりして(情けない…涙)、陣痛に耐えること1時間半。この時間が今回のお産で最もきつい時間となりました。

途中で一度麻酔を追加されたことで、わたしは初めてもう麻酔が入っていたことを知って、「え!?こんなに痛いのにもう麻酔入ってたの?お金払ってるんだから、もっとちゃんと効くまで追加してくれ〜」と思いました。この病院は、妊婦本人が痛みに合わせて麻酔を調整するのではなくて、妊婦の様子を見て、医者が麻酔の量などを加減するシステムでした。

13:00  子宮口6㎝大。陣痛に苦しむわたしを見かねて、主治医が「痛いならもっと強い麻酔を入れましょう」と。わたしは待ってました!という感じで、強めの麻酔を入れてもらいました。入れてから20分ほどで効いてきて、さっきまでの痛みが嘘のようになくなり、無痛最高!モードに。

14:00 みるみるうちに子宮口全開。促進剤がよく効いたみたいで、子宮口が開くのがとても早かったです。しかも強い麻酔が効いているので痛みもなく。最高…と思っていたのですが、ここからいよいよ出産へ。
主治医2人、助産師3人、待機の小児科医1人、看護師1人に囲まれて、いきむことに。せまい分娩室に人数多くてすし詰め状態で、もうすごいプレッシャーです(田舎の病院だから、患者数、分娩数自体少なくて、体制に余裕がある)。
でももう麻酔で下半身の感覚はなく。指示される通り、おへそを見る感じで体を起こし、腹筋に力を入れていきむも、いきんでる感覚もよくわかりません。死産の時は自然分娩だったから、よくわかったのに。陣痛のタイミングに合わせて2回×3セットくらいいきみ、だんだんと赤ちゃんの頭は下りてきているらしいけど、実感はありませんでした。

ここで非常事態が…麻酔と度重なるいきみによる疲れが相まって、猛烈な眠気が襲ってきたんです。これはわたしからすれば想定外の事態。だって無痛分娩レポのどれにも、「眠くなりました」なんて書いてなかったし!しかもわたしは普段からあまり眠気を感じないタイプで、うたた寝とか昼寝とかほとんどしないんです。なのにこんな大事な場面でなぜ!?と朦朧とした頭で考えましたが、もうどうしようもなく眠い!
寝かぶりながら、目を必死に開けていきみました…やばい、こんなに人がいるのに、寝てしまっていきめないなんて。このままいくと産めない、下から産めない、そしたら帝王切開になってしまう、お腹切る、痛い、それにこの大勢の人の期待に応えないといけない。産まなきゃ、産まなきゃ、と眠気と戦いながら、それからさらに3回×4セットくらいいきみました。

14:30  最終的には先生の吸引の力も借りて、ムスコ誕生。手足を動かして、泣きながら産まれてきたので、死産の時を思い出して「わ!生きてるー!!」となり、少し涙が出ました。夫はただただ喜ぶばかりで泣いてなかった。わたしは気づかなかったのですが、希望していたへその緒も切らせてもらえなかったようです。あと、会陰が裂けたか切開したかしたみたいなんだけど、まったく気づかなかった…どっちなのかいまだに知りません。笑
 
という感じで、ムスコの出産は、促進剤のおかげで、分娩室に入ってから3時間、促進剤入れ始めてからは5時間というスピード出産でした。麻酔は途中からしか効かず、途中まで存分に陣痛を味わったし、産むときの眠気でいきめないというトラブルもあったので、麻酔より促進剤の方が今回のお産の手助けになったかも…という印象。出産時間は短いに越したことない、その分苦しむ時間も短くて済むから、というのが、前回の死産と今回の出産の経験、周りの出産エピソードを聞く限りのわたしの感想です。

わたしは麻酔が効きやすい体質で、その日の夜や次の日くらいまで、下半身の感覚がなかなか戻らず、そのおかげか、会陰切開も、後陣痛も、全くと言っていいほど痛みを感じず、薬も一つも飲まずに済みました。これは死産のときもそうだったので、麻酔云々ではなく、体質によるものかもしれません。あと尿意が退院前日くらいまで戻らなかったけど、よくあることらしいです。スピード出産は後がきついとか言いますが、わたしは退院後も、妊娠中の体調の悪さもどこへやら、すこぶる元気に過ごすことができ、これも前回同様、悪露も少なかったし、子宮の戻りも良かったです。

産後のわたしを苦しめたのは、ホルモンの乱れによるマタニティブルーと、スパルタ気味の授乳指導でした…あれは本当につらかった。このことについてはまた後日、書くかもしれません。